個人事業主が必要なハンコとは?

必要なハンコのチェックリストはこちら

こんにちは、日本中の起業家のハンコを販売し続けてきたハンコヤドットコムの石崎です。
私はこれまで、多くの起業家の方たちのハンコ、そして、そこに隠されたストーリーを目の当たりにしてきました。
起業って本当にステキですよね・・・!

あなたはいま、1ヵ月後に開業を控えている頃ですか?
それとも、開業直前という頃でしょうか。

きっと「個人事業を始める!」と決意してからこれまでの間に、資金計画や事業計画をはじめ、多くのことを経験してこられたのではないでしょうか。

個人事業の準備で何気に忘れがちなのがハンコの準備。
ハンコの準備を怠ってしまうと、書類の作成等に時間がかかってしまいます。
だからこそ、個人事業の準備は、ハンコの準備からスタートしたほうがいいんです!

たとえば、個人事業で使うことになる印鑑は、最大でこれだけあります!

  印鑑の種類 用途
個人用 実印
実印
実印(じついん)は不動産契約やローン契約をする場合は必要。
ビジネス用 屋号印
屋号印
屋号印(やごういん)はビジネスとして重要な契約書などに押す。
銀行印
屋号入りの銀行印銀行印
銀行印(ぎんこういん)は銀行などの金融機関に届け出る印鑑。
個人のものとは別に、事業用の銀行口座をつくっておくと良い。
(屋号入りか、個人名で作成する。)
角印・社印
角印
角印(かくいん)は見積書・納品書・請求書・領収書などに押す。
住所印・社判
住所印
住所印(じゅうしょいん)は封筒やチラシ、領収書などに押す。住所・屋号・代表社名を効率的に押すことができる。
個人用 実印
実印 実印(じついん)は不動産契約やローン契約をする場合は必要。
ビジネス用 屋号印
屋号印 屋号印(やごういん)はビジネスとして重要な契約書などに押す。
ビジネス用 銀行印

屋号入りの銀行印銀行印

銀行印(ぎんこういん)は銀行などの金融機関に届け出る印鑑。
個人のものとは別に、事業用の銀行口座をつくっておくと良い。
(屋号入りか、個人名で作成する。)

ビジネス用 角印・社印
角印 角印(かくいん)は見積書・納品書・請求書・領収書などに押す。
ビジネス用 住所印・社判
住所印 住所印(じゅうしょいん)は封筒やチラシ、領収書などに押す。住所・屋号・代表社名を効率的に押すことができる。

私個人としては、これらのハンコをすべて作っておくことをオススメします。
なぜなら、上記の表に書いたとおり、それぞれのハンコが必要となるシチュエーションは異なるからです。

個人事業でもっとも大切なのは、自分の時間を効率化すること。

すべてのハンコを準備しておけば、書類作成などにかかる時間を節約できます。

ハンコは水戸黄門でいうところの「印籠(いんろう)」的な役目も果たします。
ハンコをしっかり準備しておくだけで「むむむ、こやつ、できるな・・・!」と思ってもらえやすいんです。


正直、事業をはじめてすぐは、実績がみえなかったりする分、小さく見られがちです。
だからこそ、印鑑の力を使って「こんなところにも、気を配っている」 「ちゃんとした印鑑を押している。しっかりしている人に違いない」という印象をもってもらいたいですよね。

この記事では、あなたが最終的にどのハンコを買えばよいのか判断できるようになることを目指していますので、 読み終えるころには、もう準備するハンコのことで迷わなくなっているハズです。
それでは、順番にみていきましょう!

開業の届出に印鑑は不要

結論から言うと、開業の届出に印鑑はいりません!
個人事業をはじめるには、税務署に届出が必要です。
開業するすべての個人事業者は、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「事業開始申告書」の2つの書類を提出します。
以前は届出書に押印欄があり認印が必要でしたが、令和3年度税制改正に伴い押印不要となりました。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書

    税務署に事業を始めることを知らせるための届出

  • 事業開始申告書

    地方自治体に事業を始めることを知らせるための届出

この2つの書類のほかに、青色申告を希望する人は、確定申告を青色申告で行うために「所得税の青色申告承認申請書」の届出も行います。

また、配偶者や親族が青色事業専従者となる場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」の届出を行います。

  • 所得税の青色申告承認申請書

    確定申告を青色申告で行う場合、所得税が一定額まで控除されるというメリットがあります。
    このメリットを受けるために必要となる書類です。

  • 青色事業専従者給与に関する届出書

    青色申告を選択している場合、配偶者・親族を「青色事業専従者」として届出る書類です。
    「青色事業専従者」への給与の全額は経費として認められます。

これらの届出においても印鑑は不要です。

ハンコのいらない届出が増えていますが、個人事業主としてスタートするあなたに必要な印鑑があります。
店舗を構える際の不動産契約や、融資を受けるときには実印銀行印が必要になります。
どんなシーンでどの印鑑が必要になるのか、くわしく説明していきますね。

個人事業主の「実印」とは

事業を始めるときに、開業資金が必要になりますよね?
開業資金は、自己資本でまかなえれば良いですが、銀行から融資を受けるという場合もあります。

例えば、独立店舗であればお店を借りるための保証金や、内装・外装の工事費がかかります。
また、移動販売であれば、自動車の購入のためにローンを組むこともあるでしょう。

このように、不動産契約や自動車の購入、ローン契約を結ぶときは実印が必要です。
ここで使う実印は、あなたが個人事業主であれば、あなた個人としての実印を用います。

「実印」は、特に金銭的に大きな取引がある場合に、本人の証明として使用されます。
契約書などに実印を押すということは、「この契約を確かに自分の意思で決めた」ということの証になるのです。
非常に重要なハンコであることがわかりますね。

実印

このように個人の名前が刻印されたハンコを用意し、あなたの住所地にある市区町村役場にて印鑑登録を行います。

印鑑登録」とは、ハンコを役所に登録することをいいます。
登録することによって、そのハンコが確かに自分の印鑑であるということが証明されます。
そして、役場で印鑑登録の手続きをしたハンコが、晴れて「実印」となります!

印鑑登録をしているイメージ

すでに実印をもっている方は、そのハンコを使って契約することになります。

ハンコヤドットコムスタッフ

「会社実印」ということばを聞いたことはありますか?
会社実印とは、読んで字のごとく会社の実印です。
これは、法人として登記するときに作るハンコで、会社の実印としての法的な効力を持ちます。

しかし、個人事業を開業するときには届出を提出するだけで、登記は行いませんよね?
なので、個人事業主のビジネス用の実印は存在しないのです。

まとめ

事業で不動産契約や自動車の購入、ローン契約などをするなら、 個人の実印用のハンコを用意し、役場に登録しに行きましょう。
すでに登録した実印を持っているのであれば、そのハンコを使います。
実印がいる契約をしない場合は、特に用意しなくてもよいです。

屋号印って何?必ず用意するべき?

屋号印(やごういん)とは、このような屋号の入ったハンコのことを言います。

屋号印

ハンコの外枠に「ハンコ屋ドットコム」という屋号が刻印されています。
内側には「代表之印」という字が刻印されています。(代表者印と刻印されることもあります。)
実はこの印鑑、企業でいう「会社実印」と同じような彫刻内容になっています。

先ほどもお伝えしたとおり、個人事業の場合、ビジネスの実印というものは存在しません。

では、この屋号印は個人事業においてどのような役割を持つのかというと、契約書などの比較的重要な書類に押すときに、ビジネスとしてハクをつける役割があります。
つまり、個人の事業形態だけれど、会社のような大きな事業形態に見せることができるんです。

例えば、以下の画像をみてください。
これから取引を始めようとしている大事な契約書に押される印鑑が、「個人の認印」と「屋号印」では、どちらの方が信頼できそうですか?

個人の認印
<個人の認印>
屋号印
<屋号印>

おそらく、多くの方が屋号印のほうが「しっかりしてそう!」という印象を持ったと思います。

この「しっかりとしてそう」という印象は、あなたの取引先や顧客に、安心感も与えることができるのです。

それだけではなく、屋号の入ったハンコを持つことによって、「立派な印鑑に恥じないようにがんばろう!」とあなた自身の仕事に対するモチベーションもあがるはずです。

さらに、あなたの事業が軌道にのって、次のステップとして法人化しようとしたとき、屋号印は会社の実印として使うこともできるのです。

重要な契約になつ印をしているイメージ

だから、準備しておいて損はありません。ぜひ用意してみてはいかがでしょうか。

まとめ

屋号印は絶対に要るというものではないです。
個人事業主の屋号印を使うことで、取引先や顧客に安心感を与えることができます。
「信頼を得るために作っても良い」「屋号印をもつことでモチベーションが上がる」 「法人化するかも?」という方は用意してください。
特に必要なければ、用意しなくてもOK!

銀行印は、個人口座のものとわけるべき?

個人で事業を始めるときには、口座の開設も必要ですね。
個人用の口座とは別に、事業用の口座をつくっておくことをオススメします。

普段つかっている個人用の口座と、事業資金を同じ口座で管理していると、事業による入出金がわかりにくくなってしまいます。
そうなると、会計処理や税務処理がしづらくなってしまいますよね?

また、融資の審査を受けるときに、銀行通帳の提示を求められることがありますが、事業用の口座でしっかり資金管理していることがわかると印象がよくなります。
なので、個人事業をはじめるときには新しく口座をつくりましょう!

新たに口座をつくるとなると、そのときに必要になるのが「銀行印」です。
最近では、届出印が不要の銀行もあるので、届出を行う銀行に、印鑑が必要かどうか前もって確認しておきましょう。

もし、届出印が必要なのであれば「銀行印」を用意しましょう!

屋号の入った銀行印
<屋号の入った銀行印>
個人名で作った銀行印
<個人名の銀行印>

せっかく事業用の銀行印をつくるのであれば、屋号の入った印鑑にしたいですよね?
ですが、屋号の入った印鑑で口座開設できるかどうかは、銀行によって規定が異なります。

法人の場合は屋号の入った印鑑ですぐに開設できますが、個人事業者の場合は銀行側が厳しくチェックするため、登録がスムーズにいかないケースもあります。
なので、前もって屋号入りの銀行印が使えるかを確認しておきましょう。
難しければ、個人名の入った銀行印を用意します。

「個人用の銀行印ならすでに持っているよ!」という方も多いのではないでしょうか?
すでに持っている銀行印を使いたいところですが、できれば事業用に新しく作ってください。

なぜなら、事業用になってくると、何よりもセキュリティ面で気をつけなければならないからです。
銀行での手続きのときに、あなた以外の従業員がハンコを扱うことが出てくるかもしれません。
また、事業所内に保管しているのであれば、業者の方や他人が出入りすることだってありえます。

万が一、紛失してしまったら、個人の財産と事業の財産の両方に関わります。
だから、使いまわすことが非常に危険なのです。
ぜひ、事業用に銀行印を用意してくださいね。

また、扱う額が大きくなってくると思うので、新たに銀行印を作ったときでも、慎重に取り扱うようにしてください。

まとめ

事業用の口座はなるべく新たに開設しましょう。
銀行印は、届出印が必要であれば用意してください。
届出印が必要ない銀行であれば、用意しなくてもOK!

銀行印は、実印と兼用してもいいの?
実印の登録をしているハンコを、銀行印の届出印としても問題はありません。
しかし、万が一の紛失や盗難などを考慮して、別にしておく方が安心です。
ハンコヤドットコムスタッフ

では続いて角印の説明に移ります。
お伝えしたいノウハウは残り2つ。
最後までがんばってついてきてくださいね。

角印(社印)はどんなときに使うの?

続いて角印の説明です!
角印(かくいん)は社印(しゃいん)とも呼び、取引先への見積書・納品書・請求書・領収書などの会計書類に押します。

角印

四角いハンコで、「ハンコ屋ドットコム」という屋号が刻印されています。

角印は、認印と同じ役割をもっており、個人印・会社印問わず押すことで「確認しましたよ」という証になります。

角印の意味合いは屋号印とよく似ており、個人でやっているけれど、会社のように「しっかりとしてそう」という印象を与えることができます。
たとえ法的効力がなくても、あなたの取引先や顧客に安心感を与えることができるのであれば、大いに意味がありますよね。

では、屋号印と角印の違いって何だと思いますか?

屋号印と角印の違いは、押す書類の重要度によって使い分けます。

屋号印は、契約書などの比較的重要な書類に使用します。
対して角印は、見積書・納品書・請求書・領収書などの会計書類に使用します。
角印は、そこまで重要ではない書類に適しています。

請求書などの会計書類・証憑書類になつ印をしているイメージ

会計書類に押すということは、個人事業をスタートして以降、最も使うことになるハンコです。

使用頻度が高い角印ですが、最近では角印を持たず、書類に印刷してしまうという方もいます。
角印は、印刷したものでも問題ないとされているからです。
イラストレーターなどでデータが作れる人であれば、角印の画像を会計書類に貼り付ければOKですね。
電子印鑑などのソフトでカンタンに角印の画像をつくることもできます。

しかし、取引先が「印刷した角印は無効」としていたり、印刷はOKだったとしても、「角印の部分は朱色でないといけない」としているケースもあるかもしれません。
そうなると2色刷りが必要になってきますね。

なので、使用頻度が高いからこそ、いろいろなケースに対応できるよう、角印を持っておくことをオススメします。

ハンコヤドットコムスタッフ

使用頻度が高いという理由から、角印をスタンプで作る方もいます。
スタンプで作ると、毎回朱肉をつける必要がなく、効率的だからです。

まとめ

使用頻度が高いハンコになるので、基本的には用意しましょう。
会計書類に印刷してしまうのであれば、絶対に要るものではないです。

あると便利な住所印(社判)

ここまで読み進めてくださって、ありがとうございます。あともう少しなのでがんばってくださいね!
最後に住所印について説明します。

住所印

住所印とはこのように、「住所地」「屋号」「代表者の名前」などが入ったスタンプです。
店舗を運営する方であれば、電話番号を入れても良いですし、ネットショップを運用する方であれば、サイトのURLを入れて作っても良いですね。
住所印は、ゴム印でつくることが一般的です。
住所印をひとつ用意しおけば、封筒やチラシ、領収書などに使うことができて便利です。
住所印の作成はハンコヤドットコムへ

領収書に住所印を押しているイメージ

住所印は、住所や名前を手書きで書くのが面倒なときに使うものです。
「印刷しておくから大丈夫だよ」という方は、特に用意する必要はないです。
あなたの事業において、住所印があると便利なのであれば用意しましょう!

まとめ

住所印は絶対に要るというものではないです。
封筒や領収書などに、住所や名前を書くことが多いようであれば、住所印を用意しておくと時短になります。

【これだけ見ればOK】必要な印鑑チェックリスト

個人事業で使うハンコについて、要点をまとめておきました。
「いる」「いらない」の判断にご利用ください♪

  印鑑の種類 チェックリスト
個人用 実印
実印
実印に関するチェック事項
ビジネス用 屋号印
屋号印
屋号印に関するチェック事項
銀行印
屋号入りの銀行印
銀行印
銀行印に関するチェック事項
角印・社印
角印
角印に関するチェック事項
住所印・社判
住所印
住所印に関するチェック事項
個人用 実印

実印

実印に関するチェック事項
ビジネス用 屋号印

屋号印

屋号印に関するチェック事項
ビジネス用 銀行印

屋号入りの銀行印銀行印

銀行印に関するチェック事項
ビジネス用 角印・社印

角印

角印に関するチェック事項
ビジネス用 住所印・社判

住所印

住所印に関するチェック事項
ハンコヤドットコムスタッフ

おつかれさまでした!
印鑑は起業家のハク、ひいては起業家のブランド強化につながる重要な要素です。
あなたが「印鑑」をつくるときに、この記事が少しでも役に立てばうれしいです。
あなたの事業が無事スタートを切ることができ、うまくいくことを祈っております!