
役所にハンコを登録することを印鑑登録といい、登録されたハンコを実印と呼びます。
突然ですがあなたは「印鑑(いんかん)」とは何か説明できるでしょうか・・・?
多くの人は、印鑑とハンコは同じもので、ハンコの正式名称が印鑑だと思っているのではないでしょうか?
実はハンコの正式名称は、厳密には「印章(いんしょう)」といいます。
そして、ハンコを紙に押したとき、紙に残る朱肉のあとを「印影(いんえい)」といいます。
では「印鑑」は何かというと、役所や銀行などに登録してある印影のことをいいます。 多くの方が印鑑と呼んでいるものは、本当は印章という名称なのです。
【印章・印影・印鑑のことばの違い】
印章(いんしょう)
ハンコの物体としての呼称。
一般的に印鑑と呼ばれます。
印影(いんえい)
ハンコを紙に押したときに残る朱肉のあとのこと。
印鑑(いんかん)
実印・銀行印など登録したハンコの印影のこと。
しかし、一般的には「印鑑=ハンコ」と認識されており、辞書でも「印鑑」は以下のような意味になっています。
いんかん【印鑑】
- はんこ。印。
- あらかじめ地方自治団体や銀行その他取引先などに提出しておく特定の印影。
印の真偽を見分ける基礎となるもの。出典: 三省堂大辞林 第三版
印章・印影・印鑑のことばの違いは、あくまでうんちくです。
厳密なことばの使い分けを意識しなくても問題はありません。
「印鑑」の語源は、ハンコが本物か偽物かを判断するために、印影(いんえい)の照合に使っていた台帳を「鑑(かがみ)」と呼んでいたことに由来します。
台帳には、本物のハンコで押した印影が載っていました。
この印影をみくらべる台帳(鑑)のことが「印鑑」と呼ばれ、さらに本物のハンコで押された印影のことも「印鑑」と呼ぶようになったとされています。
印鑑を照合してハンコの真偽を確かめる方法は、今でも銀行などで使われている仕組みです。
「ハンコ」の語源は、以下のような諸説があります。
ハンコのことは、「はん」「印(いん)」「璽(じ)」と呼ばれることもあります。
「璽(じ)」は飛鳥時代に、701年に制定された大宝律令で、官印の一つとして天皇御璽(てんのうぎょじ)が作られたことがはじまりです。
(官印とは、官庁が職務で使うハンコのことです。)
現在では天皇の使うハンコだけが「御璽(ぎょじ)」と呼ばれ、国のハンコは「国璽(こくじ)」と呼ばれます。
「御璽」は天皇の国事行為にともなって作られる文書に押され、「国璽」は外交文書など国家の重要文書に押されます。
「印鑑うんちく事典」では、他にもハンコにまつわるうんちく・情報をわかりやすくご紹介しています!
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ページは随時更新してまいります。