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隷書体とは?書体の特徴や歴史、印鑑におすすめの理由を解説

「隷書体ってどんな特徴があるの?」
「印鑑の書体に隷書体を選んでも大丈夫?」

隷書体について、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
このページでは、隷書体の歴史、日本の紙幣に採用されている理由、そして印鑑に使う際のメリット・デメリットなどを詳しく解説しています。
古印体との比較説明もご用意しているので、ぜひ最後までご覧ください。

隷書体とは

隷書体とは

隷書体の印影

隷書体(れいしょたい)は、古代中国で生まれた漢字の書体のひとつで、横に広がった字形と波のようにうねる「波磔(はたく)」と呼ばれる線が特徴です
もともとは、篆書体(てんしょたい)の複雑な形を簡略化して生まれた実用的な書体で、漢の時代には公文書にも使われました。
跳ね上げる払いの書き方が八の字に見えることから、隷書体は「八分隷(はっぷんれい)」「八分(はっぷん)」「分書(ぶんしょ)」とも呼ばれます。

隷書体は読みやすくバランスの取れた美しい字形のため、現代でもフォントとして人気があります。
また、隷書体はその可読性の高さから、実印・銀行印よりも認印やシャチハタにおすすめな書体です

隷書体は日本の紙幣にも使われている

横長の形で読みやすく、横書きにも向いている隷書体は日本のお札にも用いられています。
古代中国に起源がある伝統的な書体ですので、お札らしさを表現する点からも効果があります。
千円や壱万円の文字で隷書体を確認できるので、ぜひ財布から取り出してチェックしてみましょう。

なお、お札で用いられる隷書体は、大蔵隷書(おおくられいしょ)と呼ばれる書体です。
大蔵隷書は、国立印刷局がお札や証券用に制作した独自の書体で、戦後から使用されています。

参考:
お札と切手の博物館
お札の文字のひみつ

隷書体の歴史

隷書体は、古代中国・漢代の初期に誕生した実用的な書体です。
篆書体の一種である小篆(しょうてん)が複雑で書きづらく、秦の役人たちが自然と走り書きをするようになったことから隷書体が生まれました。
この篆書体から隷書体への簡略化の流れは「隷変(れいへん)」と呼ばれています。

漢の時代には隷書体が公式書体として採用され、公文書や石碑などに広く用いられるようになりました。
代表的な作例には「乙瑛碑(いつえいひ)」や「曹全碑(そうぜんひ)」があり、いずれも隷書体の完成度と芸術性の高さを今に伝える名碑です。

こうした歴史的背景を持つ隷書体は、読みやすさと美しさを兼ね備えた書体として、現代でも多くの人に親しまれています。

隷書体は印鑑・はんこにおすすめの書体

美しく読みやすい字体で、認印に最適

隷書体は、字の形がはっきりとして美しく、読みやすさも兼ね備えているため、普段使いの認印にぴったりの書体です
大きく崩れすぎない安定した字体は、読み手に混乱を与えにくく、珍しい苗字や名前でも判読しやすいというメリットがあります。
また、波磔(はたく)の程よい装飾もあるので、印鑑にさりげなく個性を出したい方にもおすすめです。

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シャチハタでも隷書体が選べる

認印などの印鑑だけでなく、いわゆるシャチハタ(浸透印)でも隷書体が選べます。
店頭で手に入る既製品のシャチハタは楷書体のため、隷書体は「スタイリッシュな印象にしたい」「少し個性を出したい」という方におすすめです。

加えて、シャチハタの隷書体はひらがな・カタカナに対応しており、大ぶりで読みやすいのが特徴です。

シャチハタの隷書体

シャチハタでは、隷書体以外にも古印体・角ゴシック体といった書体も選択可能です。

シャチハタの書体一覧は、下記ページからご覧いただけます。

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実印・銀行印を隷書体で作成する際のポイント

実印・銀行印で「デザイン性や読みやすさを優先したい」という希望がある方にとって、隷書体はおすすめの書体です。
一方で、隷書体は判読がしやすい書体なだけに、実印などの重要な印鑑では偽造リスクに注意が必要です。
実印・銀行印の防犯性を重視する場合は、複雑な書体である篆書体や吉相体(印相体)が望ましいといえるでしょう。

ハンコヤドットコムでは隷書体をはじめ、篆書体や吉相体(印相体)の実印・銀行印を取り揃えております。

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印鑑の書体一覧・詳しい選び方は、下記ページからご覧いただけます。

印鑑におすすめの書体一覧

隷書体以外にも、吉相体(印相体)や篆書体といった印鑑におすすめの書体があります。
最適な書体は、作りたい印鑑が実印・銀行印・認印などによっても変わるので、見た目も含めて比較検討するのがおすすめです。

吉相体
(印相体)
篆書体 太枠篆書体
吉相体(印相体)の印影 篆書体の印影 太枠篆書体の印影
古印体 隷書体
古印体の印影 隷書体の印影
吉相体
(印相体)
篆書体 古印体
角印の吉相体(印相体)の印影 角印の篆書体の印影 角印の古印体の印影

印鑑の書体一覧・詳しい選び方は、下記ページからご覧いただけます。

認印は、隷書体と古印体のどっちがいい?

認印の書体で、隷書体と古印体のどちらを選ぶか迷う人は多いようです。
隷書体と古印体ともに読みやすく認印に最適な書体ですので、お好みで選んでも問題ないでしょう。
現代的でスタイリッシュなデザインが好みなら隷書体、伝統的な佇まいや丸みのあるデザインが好みなら古印体がおすすめです。

自分の苗字や名前との相性も含めて検討し、プレビュー機能も活用しながら総合的に判断するとよいでしょう。

隷書体 古印体
見た目 隷書体の印影 古印体の印影
特徴 横長の文字と波打つような「波磔(はたく)」の美しさが特徴 太く丸みを帯びた線と、墨溜りや欠けのある味わい深さが特徴
メリット
  • 日本の紙幣にも使われており、格式を感じさせる
  • 適度に装飾性があり、洗練された印象
  • 認印の定番書体で安心感がある
  • 親しみやすく、柔らかい印象を与える
デメリット
  • 現代的な印象があり、好みが分かれることも
  • 古風な印象があり、好みが分かれることも
こんな人におすすめ
  • 読みやすさとデザイン性を両立させたい人
  • 認印の定番の書体を選びたい人
  • 印鑑に親しみやすい印象を持たせたい人

まとめ

古代中国にルーツを持つ隷書体は、現代でも日本の紙幣や印鑑に使われるなど、長く親しまれている書体です。
読みやすくバランスの取れた字形や、適度な装飾性を持つ波磔(はたく)の美しさから、認印に適しています。

実印や銀行印に隷書体を使う場合は、印影が読み取りやすいだけに、偽造リスクにも目を向けておくと安心です。
防犯性を重視したい方には、篆書体や吉相体のような複雑な書体を検討するとよいでしょう。
とはいえ、デザインや見た目の印象を大切にしたい方は、実印や銀行印に隷書体を選んでも問題ありません。

印鑑を作成する際は、用途やデザインの好みに応じて、自分に合った書体を選びましょう。

印鑑の書体一覧は、下記ページからご覧いただけます。

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