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篆書体とは?書体の歴史や印鑑・はんこにおすすめの理由を解説

「篆書体ってどんな書体?」
「印鑑の書体は篆書体でいいのか悩む…」

篆書体について、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
このページでは、篆書体の歴史といった基礎知識をはじめ、実印などの印鑑におすすめの理由を解説しています。
吉相体(印相体)との比較説明もご用意しているので、ぜひ最後までご覧ください。

篆書体とは

篆書体とは

篆書体の印影

篆書体(てんしょたい)とは、中国の秦の時代に公式な書体とされた書体で、「篆書」「篆文」とも呼ばれます。
公式であった期間はごく短いものの、現在では印鑑や書道で多く利用されています。
また、篆書体は日本最古の印鑑といわれる国宝「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」の金印にも使われており、日本でも古くから親しまれてきました。

見た目としては、線が均一で丸みがあり、長さや間隔が左右対称な点が特徴で、現在の文字に比べて字体が独特です。
そのため、篆書体は可読性が低く(読みにくい)複製されにくい特徴があり、個人・法人用の実印・銀行印の書体によく用いられます

篆書体は日本の紙幣・パスポートにも使われている

篆書体は国宝「漢委奴国王」の金印だけでなく、現代の日本でも採用されています。

  • 日本紙幣の表と裏にある「総裁之印」「発券局長」の印影
  • パスポートの表紙にある「日本国旅券」の文字
  • 郵便切手の「日本郵便」の文字

実は身近なところで使われており、親しみを感じられるのではないでしょうか。
同時に、篆書体は公的な場で偽造・悪用リスクを防止する効果が期待されていることもわかります。

日本紙幣にある印影
1000円札の表面
パスポートの表紙文字
日本のパスポートの表紙

篆書体の歴史

篆書体は中国の秦の時代(紀元前221年)に、始皇帝が中国統一を成し遂げた際に公式な書体として制定したものです。
これは、地域によって違う書体が使われていた当時に、始皇帝が自身の権力をアピールするために行ったと言われています。
始皇帝が制定した篆書体は、正式には「小篆(しょうてん)」といい、西周の時代に作られた「大篆(だいてん)」という篆書体を簡略化して作った書体とされています。

また、縦長の小篆を印鑑に収めやすくするために改変した「印篆(いんてん)」という印鑑用の篆書体も存在します。
そのため、印鑑に用いる篆書体は印篆と呼ぶのが正式ですが、一般的には篆書体と呼ばれることが多いようです。

篆書体の種類をまとめると、以下のようになります。

大篆
:西周の時代に、官職である太史の籀(ちゅう)という人が作った籀文(ちゅうぶん)と呼ばれる書体が起源とされています。
小篆
:秦の始皇帝が、文字を統一するために大篆を簡略化して作った書体です。当時、公式な書体として使われました。
印篆
:小篆の長い線や曲線を整理し、印鑑の寸法に収まるように改変した書体です。「大」「石」「志」など、複数字形が存在するものがあります。

残念なことに、小篆は画数が多く書くのが大変だったため、公式書体であった期間はごく短いものでした。
この小篆をさらに簡略化し、実用的な文字として後に生まれるのが隷書体です。

「篆書体」を広い意味で捉えると

広い意味では、篆書体は秦の時代よりも前に使われていた甲骨文・金文といった書体も含みます。
甲骨文は、紀元前1300年頃に占いのために亀の甲羅や獣の骨に刻まれた文字で、現存する最古の漢字です。
金文は青銅器に鋳込まれた文字で、甲骨文に次いで歴史があります。

篆書体は印鑑におすすめの書体

偽造されにくく、実印・銀行印に最適

篆書体は現在の文字に比べて字体が独特なため、可読性が低く偽造されにくい特徴があります。
そのため、実印や銀行印といったセキュリティ面が重視される印鑑で多く採用されています

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より軽やかな印象の「太枠篆書体」もおすすめ

印鑑の枠を太くし、篆書体を細く仕上げた太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)もおすすめです。
太枠と細文字のバランスがよく、篆書体と比べて軽やかな印象があります。
縁が欠けにくい印鑑をお求めの方や、印鑑に柔らかい印象を持たせたい方に最適です。

篆書体 太枠篆書体
篆書体の印影 太枠篆書体の印影

印鑑の書体一覧・詳しい選び方は、下記ページからご覧いただけます。

シャチハタでも篆書体が選べる

実印・銀行印などの印鑑だけでなく、いわゆるシャチハタ(浸透印)でも篆書体が選べます。
ひらがな・カタカナに対応しており、角印(社印)などにも使いやすいのが特徴です。

シャチハタの篆書体

シャチハタでは、篆書体以外にも楷書体・隷書体といった書体も選択可能です。

シャチハタの書体一覧は、下記ページからご覧いただけます。

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篆書体は認印に不向き

篆書体は実印・銀行印に最適ですが、複雑な書体で読みにくいため認印には向きません
可読性が低いと偽造・悪用のリスクを防止できますが、一方で「誰が押したか」が伝わりにくくなります。
認印は書類の内容に対して「チェックしました」の意思を伝えるものですので、古印体・隷書体といった読みやすい書体がおすすめです。

古印体 隷書体
古印体の印影 隷書体の印影
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篆書体の書体プレビュー・変換

篆書体の書体プレビューはこちらから行えます。
印鑑に刻印する自分の氏名や、デザインを確認したい漢字の変換にご利用ください。
また、吉相体・古印体・隷書体といった他の書体のプレビューも可能です。

印鑑におすすめの書体一覧

印鑑におすすめの書体は、篆書体だけではありません。
最適な書体は、作りたい印鑑が実印・銀行印・認印などによっても変わるので、見た目も含めて比較検討するのがおすすめです。

吉相体
(印相体)
篆書体 太枠篆書体
吉相体(印相体)の印影 篆書体の印影 太枠篆書体の印影
古印体 隷書体
古印体の印影 隷書体の印影
吉相体
(印相体)
篆書体 古印体
角印の吉相体(印相体)の印影 角印の篆書体の印影 角印の古印体の印影

印鑑の書体一覧・詳しい選び方は、下記ページからご覧いただけます。

篆書体と吉相体(印相体)なら、どちらを選ぶべき?

篆書体と吉相体(印相体)はいずれも実印に適した書体のため、どちらにするか悩む方は少なくありません。
結論から言えば、どちらを選ぶべきかは人によって異なるため、それぞれのメリット・デメリットを比べて決めるとよいでしょう。
直感的に見た目の格好良さで決めるのも、一つの方法です。

篆書体 吉相体(印相体)
見た目 篆書体の印影 吉相体(印相体)の印影
特徴 印鑑や書道で使われる歴史ある書体 篆書体をベースに、印鑑用に作られた書体
メリット
  • 日本の紙幣やパスポートに使われており、公的な印象を持たれやすい
  • 可読性が低く、偽造されにくい
  • デザイン性が高い
  • 篆書体より可読性が低く、偽造されにくい
デメリット
  • 複雑な書体で読みにくい
  • 複雑な書体で読みにくい
  • まれに実印登録ができないことがある
こんな人におすすめ
  • ある程度は読める書体がよい人
  • 歴史のある書体がよい人
  • 確実に印鑑登録できる書体がよい人
  • デザイン性の高い書体がよい人
  • 偽造のされにくさを優先したい人
  • 隙間が少ない書体がよい人

※吉相体(印相体)は八方篆書体とも呼ばれます。

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まとめ

篆書体は印鑑の書体として古い歴史があり、国宝「漢委奴国王」の金印をはじめ、日本の紙幣・パスポートにも使用されています。
複雑な書体で偽造・悪用のリスクが低く、重要な書類に押印する実印・銀行印におすすめです。
なお、読みづらい書体のため「誰が押したか」が伝わりにくく、認印には不向きです。
書体を選ぶときは、作成したい印鑑の種類を考慮して最適なものを選びましょう。

印鑑の書体一覧・詳しい選び方は、下記ページからご覧いただけます。

「自分の名前を篆書体に変換したい」「他の書体と比較したい」という方は、書体プレビューをご利用ください。

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