吉相体(印相体)とは?メリット・デメリットや印鑑におすすめの理由を解説
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「吉相体(印相体)ってどんな書体?」
「実印を吉相体で作ると印鑑登録できないって本当?」
吉相体(印相体)について、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
このページでは、吉相体(印相体)の特徴やメリット・デメリット、篆書体との違いを含めた基礎知識をわかりやすく解説しています。
実印・銀行印としての適性や注意点についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

吉相体(印相体)とは

吉相体(きっそうたい)は篆書体(てんしょたい)から生まれた印鑑用の書体で、印相体(いんそうたい)とも呼ばれます。
中心から外へ広がる力強い線が特徴で、八方へ広がる見た目から「八方篆書体(はっぽうてんしょたい・はちほうてんしょたい)」という別名もあります。
吉相体(印相体)は、もともと可読性が低い(読みにくい)篆書体をさらに崩しているため、判読が難しく偽造されにくいというメリットがあります。
また、吉相体(印相体)は文字と枠が接する面積が大きく欠けにくいため、耐久性も高いのが特徴です。
この「偽造のされにくさ」と「耐久性の高さ」の両面から、吉相体(印相体)は実印や銀行印など重要な印鑑に適した書体として広く選ばれています。
※吉相体(印相体)が誕生した時期には諸説ありますが、一般的には1970年代とされています。
字形が八方へ広がる姿から、吉相体(印相体)は「縁起が良い」「開運につながる」と解釈され、風水や易学で用いられることもあります。
※ハンコヤドットコムでは易学や風水の取り扱いを行っていないため、吉相体(印相体)をデザイン性の優れた書体として使用しています。
吉相体と印相体の違いは?
吉相体と印相体は同じ書体を指しますが、名前の由来に違いがあります。
「吉相体」は、八方に広がる印相体の末広がりの字形が「縁起が良い=吉」とされることから生まれた呼び方です。
一方で、「印相体」という本来の呼び名は、枠と文字が接する構造によりゴミや朱肉がたまりにくく、印影が乱れにくいことから「印相が良い」とされる点に由来しています。
一般的に、吉相体・印相体は区別せず同じ意味で使われるケースが多いため、大きな違いはないと考えてよいでしょう。
※「印相体」は方位学(印相学)の「印相」に由来するという説もあります。
吉相体(印相体)のメリット
偽造されにくく、実印・銀行印に最適
吉相体(印相体)は、複雑な線で構成されるため、他の書体に比べてコピー・偽造が難しい書体とされます。
この防犯性の高さから、吉相体(印相体)は公的手続きや金融機関で身分証明の役割を果たす実印・銀行印で多く採用されています。
印面が欠けにくく、印鑑が長持ちする
吉相体(印相体)は文字と枠がしっかり接しており、印面の面積が広いため、他の書体に比べて欠けにくい特長があります。
とくに実印や銀行印は、印面が欠けてしまうと、役所や銀行窓口での再登録・再申請が必要になる場合があります。
長く使う重要な印鑑だからこそ、吉相体(印相体)のような欠けにくい書体で作っておくと、後々のトラブルや手間を避けられます。
デザイン性が高いため、個性的な印鑑が作れる
吉相体(印相体)はデザイン性に優れた書体のため、個性的な印鑑を作りたい方にもおすすめです。
下記の書体プレビューに姓名を入力すると、吉相体(印相体)の印影イメージが表示されますので、購入前の参考材料としてぜひご活用ください。
吉相体(印相体)のデメリット
読みづらいため、認印に不向き
文字の判読が難しい吉相体(印相体)は、「誰が押したか」が伝わりにくくなるため、認印には向きません。
認印は「見ました」「了承しました」の意思を示すために押印するものですので、相手側が読みやすい書体を選ぶことが大切です。
日常的に押す機会の多い認印には、古印体・隷書体といった読みやすい書体がよいでしょう。
古印体 | 隷書体 |
---|---|
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とはいえ、「認印に個性を持たせたい」「デザイン性を重視したい」といった理由で、吉相体(印相体)で認印を作成しても問題ありません。
使用するシーンや相手との関係性に応じて、自分に合った書体を選ぶとよいでしょう。
ごくまれに実印登録できないケースがある
吉相体(印相体)は印鑑の書体のなかでも判読が難しいため、「名前が読めない」という理由で、ごくまれに役所での印鑑登録を断られるケースがあります。
確実に印鑑登録を済ませたい方は、吉相体(印相体)で登録可能かを事前に役所に確認しておくと安心です。
不安な場合は、篆書体など他の書体を選ぶのもよいでしょう。
なお、ハンコヤドットコムでは「実印登録NG保証」のサービスをご用意しています。
当社で購入された実印で印鑑登録ができなかった場合、新たに作成した印鑑と交換できますので、初めて実印を作成される方も安心です。
電子印鑑でも吉相体(印相体)が選べる
ビジネスシーンを中心に利用が広がっている電子印鑑ですが、吉相体(印相体)での作成も可能です。
吉相体(印相体)は印鑑らしい重厚感が魅力ですが、フリーソフトの場合は使用できるフォントが限られるため、非対応のケースが少なくありません
本格的な吉相体(印相体)の電子印鑑を作るなら、ハンコヤドットコムなど専門サイトの利用がおすすめです。
ハンコヤドットコムでは、専門スタッフがオリジナルの印影をデザインするため、見栄えの良い高品質な電子印鑑が手に入ります。
吉相体(印相体)のシャチハタもある
ハンコヤドットコムなら、実印・銀行印などの印鑑だけでなく、いわゆるシャチハタ(浸透印)でも吉相体(印相体)が選べます。
店頭で手に入る既製品のシャチハタは楷書体のため、吉相体(印相体)は「他の人とは違うシャチハタが欲しい」という方におすすめです。
また、ハンコヤドットコムのシャチハタは、専門のスタッフがひとつひとつ印面をデザインするため、ここでしか買えない特別な一本が手に入ります。

▼ 吉相体(印相体)のシャチハタをお求めの方はこちら ▼

シャチハタでは吉相体(印相体)以外にも、楷書体・隷書体といった書体も選択可能です。
シャチハタの書体一覧は、下記ページからご覧いただけます。
印鑑におすすめの書体一覧
印鑑におすすめの書体は、吉相体(印相体)だけではありません。
最適な書体は、作りたい印鑑が実印・銀行印・認印などによっても変わるので、見た目も含めて比較検討するのがおすすめです。
吉相体 (印相体) |
篆書体 | 太枠篆書体 |
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古印体 | 隷書体 | |
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吉相体 (印相体) |
篆書体 | 古印体 |
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印鑑の書体一覧・詳しい選び方は、下記ページからご覧いただけます。
吉相体(印相体)と篆書体なら、どちらを選ぶべき?
実印の書体選びで、篆書体と吉相体(印相体)のどちらにするか悩む方は多いのではないでしょうか。
それぞれの特徴を下記表にまとめているので、ぜひ書体選びの参考にしてください。
もちろん、篆書体と吉相体(印相体)それぞれの印影デザインから、自分の好みに合うものを選ぶのも良い方法です。
プレビュー機能でそれぞれの印影を確認し、実際に使用する場面を思い浮かべながら、長く付き合える印鑑を選んでください。
吉相体(印相体) | 篆書体 | |
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見た目 | ![]() |
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特徴 | 篆書体をベースに、印鑑用に作られた書体 | 印鑑や書道で使われる歴史ある書体 |
メリット |
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デメリット |
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こんな人におすすめ |
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まとめ
吉相体(印相体)は印鑑用に作られた書体で、偽造リスクの低さや耐久性の高さといった実用面に優れた書体です。
実印や銀行印などの重要な印鑑におすすめですが、可読性の観点から認印には向かないなど、用途に応じた使い分けも大切です。
また、吉相体(印相体)は電子印鑑としての利用も可能で、デジタル時代にも対応できる実用性を備えています。
印鑑を作成する際は、吉相体(印相体)ならではの特徴やメリットを踏まえ、自分に合った書体を選んでみてください。
印鑑の書体一覧は、下記ページからご覧いただけます。