電子印鑑におすすめのフォントは?種類や選び方、ツール上での変更方法を解説
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「電子印鑑のフォント選びで悩んでいる」
「角印の電子印鑑には、どのフォントがおすすめ?」
電子印鑑の作成を検討・進めるなかで、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、電子印鑑の種類や用途ごとにおすすめのフォント、電子印鑑の作成方法などを解説します。
電子印鑑のフォントは単なるデザインではなく、信頼性やセキュリティにも直結する重要な要素ですので、ぜひ最後までご覧ください。
電子印鑑のフォント選びの基本
社内文書では「読みやすさ」を重視する
認印や日付印など、社内での回覧・チェックで使われる電子印鑑のフォントでは、読みやすさ(可読性)を優先しましょう。
複雑なフォントにすると、「誰が押したか」を一目で判断するのが難しくなるためです。
一方で、読みやすい書体は線がシンプルなだけに第三者が模倣しやすいため、社外向けの書類には不向きです。
- 社内文書におすすめのフォント(書体)
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- PCのフォント:ゴシック体、明朝体など
- 印鑑向けのフォント:楷書体、行書体、古印体
契約書など、社外文書では「偽造防止」を重視する
角印や丸印など、社外との契約書や公的な文書で使用する電子印鑑のフォントでは、セキュリティ・偽造防止の観点が重要です。
読みやすいフォントでは、第三者に偽造・悪用されるリスクが高まるため、吉相体(印相体)や篆書体などの複雑な書体がおすすめです。
特にゴシック体や明朝体など、PCに標準搭載されているフォントは誰でも簡単に流用できるため、避けた方がよいでしょう。
- 社外文書におすすめのフォント(書体)
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- 印鑑向けのフォント:吉相体(印相体)、篆書体、古印体
電子印鑑に使われる主なフォント・特徴
電子印鑑で使用される代表的なフォント6種類の特徴・おすすめの用途を解説します。
各フォントの特徴を一覧表にまとめましたので、電子印鑑を作成する際に参考にしてください。
| フォント名 | 最適な用途 | 防犯性 | 読みやすさ | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
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楷書体
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△ | ◎ | 最も読みやすいフォントだが、複製のリスクが高い。 |
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行書体
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△ | ◎ | 流れるような線で、達筆な印象。複製されやすい。 |
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隷書体
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△ | ◎ | 横長の字形と、「波磔(はたく)」と呼ばれるうねり線が特徴。 |
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古印体
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○ | ◎ | 読みやすさと伝統的な印影らしさを両立した、日本独自のフォント。 |
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篆書体
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◎ | △ | 日本最古の金印「漢委奴国王」にも使われた、偽造が困難なフォント。 |
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吉相体
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◎ | △ | 篆書体をより複雑にしたフォントで、最も防犯性が高い。 |
楷書体(かいしょたい)
楷書体は、フォントのなかで最も読みやすく、整った字体として標準的なPCフォントにも存在します。
可読性の高さが最大のメリットのため、社内で認印として使用する電子印鑑におすすめです。
一方で、楷書体は複製が容易で悪用リスクがあるため、契約書などの社外書類には不向きです。
行書体(ぎょうしょたい)
行書体は、筆書きの流れるような字体が目をひくフォントで、続け書きや線の強弱が特徴です。
書道や年賀状でも用いられるため、電子印鑑に読みやすさと達筆なイメージを持たせたいシーンにおすすめです。
ただし、行書体は楷書体と同じくセキュリティ面に不安があるため、あくまで社内の認印に使うのがよいでしょう。
隷書体(れいしょたい)
隷書体は、「波磔(はたく)」と呼ばれるうねりの線が特徴的なフォントです。
崩れの少ない字体で読みやすく、すっきりとしたデザインのため、通常の印鑑の書体としても人気があります。
隷書体は判読しやすいため認印用の電子印鑑にはおすすめですが、防犯性を重視する場合は避けた方がよいでしょう。
古印体(こいんたい)
古印体は、不揃いな線・墨溜まりが魅力のフォントです。
読みやすさと伝統的な印鑑の風格が両立しており、主に認印で用いられています。
適度な複雑さもあるため角印にも適していますが、社外向けの電子印鑑として防犯面を考慮するなら、篆書体や吉相体(印相体)の方がおすすめです。
篆書体(てんしょたい)
篆書体は、日本最古の金印「漢委奴国王」にも使われた格式ある書体・フォントです。
線の強弱が少なく、複雑で左右対称の構造を持つため、偽造が極めて困難です。
そのため、社外向けの文書や、高い信頼性が求められる角印・丸印の電子印鑑のフォントにおすすめです。
吉相体(きっそうたい)・印相体(いんそうたい)
吉相体(きっそうたい)は、篆書体から生まれた印鑑用の書体・フォントで、別名は印相体(いんそうたい)です。
可読性の低い篆書体をさらに複雑にしているため、印鑑のフォントのなかで最も偽造されにくいとされます。
吉相体(印相体)は実物の実印・銀行印にもよく用いられるフォントですので、防犯性が求められる角印・丸印の電子印鑑にうってつけです。
【用途別】電子印鑑におすすめのフォント
社内で使う電子印鑑(認印・日付印など)の推奨フォント
認印・日付印など、社内で使う電子印鑑のフォントには、以下がおすすめです。
- 古印体、隷書体
適度に印鑑らしさがあり、なおかつ読みやすさも十分
- 楷書体、行書体
読みやすい一般的なフォントのため、印鑑らしさを重視しない場に最適
社外向けに使う電子印鑑(角印・丸印)の推奨フォント
角印・丸印など、社外向けに使う電子印鑑のフォントには、以下がおすすめです。
- 篆書体、吉相体(印相体)
信頼性・格式・偽造防止の面で優れており、電子契約書などの対外的な文書に最適
- 古印体、隷書体、楷書体、行書体
読みやすく複製が簡単なため、見積書など金銭のやり取りが発生しない書類であればOK
※取引先によっては電子印鑑の使用が認められないケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
【主要ソフト別】無料で電子印鑑を作成する方法・フォント設定
Excel・Wordで作成する場合
ExcelやWordでは、「図形機能」と「テキストボックス」を組み合わせて電子印鑑を作成できます。
Excelで電子印鑑を作成する手順(Wordもほぼ同じ)
- 「挿入」タブの「図形」で「楕円」または「正方形/長方形」を選択
- キーボードの「Shift」を押しながら拡大縮小して正円を作成する
- 正円をクリックで選択し、「図形の書式」タブの「図形の塗りつぶし」で「塗りつぶしなし」を選択
- 「図形の書式」タブの「図形の枠線」で「赤」を選択
- 「図形の書式」タブの「図形の枠線」の「太さ」から「1.5pt」を選択(※1~2.25ptがおすすめ)
- 「挿入」タブの「テキスト」で「縦書きテキストボックス」を選択
- 名字を入力し、「図形の書式」タブの「文字の塗りつぶし」で「赤」を選択
- 「図形の書式」タブの「文字の効果」で「影なし」を選択
- 「ホーム」タブの「フォント」で好きな書体を選択
- 円(四角)と文字のバランスを調整
- キーボードの「Shift」を押しながら円(四角)と文字を選択し、右クリックして「グループ化」を選択
- 画像を右クリックして「図として保存」を選択し、PNG形式で保存(※JPEG形式では背景透過できない)
実際の操作画面と合わせて手順を確認したい方は、下記ページをご覧ください。
なお、篆書体や吉相体(印相体)といった印鑑の書体は、PCのデフォルトのフォントには含まれていないケースが多いため注意しましょう。
「印鑑らしいフォントを使いたい」「偽造リスクを防ぐために、篆書体や吉相体の電子印鑑を作りたい」という方は、ハンコヤドットコムの電子印鑑がおすすめです。
Adobe Acrobat Reader(PDF上)で作成する場合
フォントにこだわりがなく、社内で使う認印の電子印鑑を手軽に作りたい方には、Adobe Acrobat Readerはおすすめのツールです。
無料のAdobe Acrobat Readerを使えば、PDF上で電子印鑑の作成・押印までを一括で完了させられますが、電子印鑑のフォントは固定のため変更できません。
また、Adobe Acrobat Readerの機能で作れるのは認印・日付印のみで、角印は作成できません。
篆書体や吉相体(印相体)を使いたい・角印・丸印など社外向けの電子印鑑の場合は、ハンコヤドットコムの電子印鑑をご検討ください。
フリーソフトやWebツールを使う場合
ネット上には、電子印鑑を無料で作成できるフリーソフト・ブラウザ上で完結するWebツールが数多く存在します。
認印や日付印、角印など選べる形も多く、フォントの種類も豊富なため、ExcelやWord・PDFにはないフォントが選べるメリットがあります。
ただし、篆書体や吉相体(印相体)などの本格的な印鑑書体は、電子印鑑のフリーソフトでは選べないケースがほとんどです。
Excel・Wordと同様に「本格的な印鑑のフォントを使いたい」という方は、ハンコヤドットコムの電子印鑑がおすすめです。
無料の電子印鑑は、フォントの選択肢が狭い
ExcelやWord、フリーソフトで電子印鑑は作れるものの、使えるフォントが限定されるため見栄え重視の方は物足りなさを感じるかもしれません。
特に、偽造に強い篆書体や吉相体(印相体)は、多くの無料ツールで提供がないのが現状です。
「見栄えのする電子印鑑が欲しい」
「篆書体や吉相体で電子印鑑を作りたい」
そんな方には、ハンコヤドットコムの電子印鑑がおすすめです。
ハンコヤドットコムの電子印鑑は、実物の印鑑で使われる本格的なフォントからお好きなものを選べます。
- 【個人】認印のフォント(5種類)
篆書体・吉相体(印相体)・太枠篆書体・古印体・隷書体
- 【法人】角印のフォント(3種類)
篆書体・吉相体(印相体)・古印体
また、プロの専門デザイナーがオリジナルの印影を作成するため、無料のものに比べて偽造に強く、高品質な電子印鑑が手に入ります。
よくある質問
- 角印(社印)に最適な電子印鑑のフォントは?
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角印(社印)は対外的な信用を示す印鑑のため、複雑なデザインと威厳を兼ね備えた本格的なフォントを選ぶのが一般的です。
ハンコヤドットコムでは、角印の電子印鑑のフォントとして篆書体が最も人気ですが、吉相体(印相体)や古印体を選ばれる方もいます。
会社の事業内容や社名の文字数・バランスなどを考慮し、最適なフォントを選んでみましょう。下記ページに、角印の書体見本のイメージをご用意していますので、ぜひご活用ください。
- PDFに押した電子印鑑のフォントは変更できる?
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Adobe Acrobat Reader(PDF上)の機能で作成した電子印鑑は、フォントが固定されており変更ができません。
また、他のツールで作成した、または購入した電子印鑑をPDFに押印した場合も、フォントを変更するには元データを修正する必要があります。
まとめ
電子印鑑のフォント選びは、利用シーンに応じて「複雑さ(偽造防止)」と「読みやすさ(可読性)」を使い分けることが重要です。
認印など社内文書向けの電子印鑑では、読みやすさを優先し、楷書体や行書体、古印体、隷書体を選びましょう。
一方で、角印など社外向けの電子印鑑では偽造防止が優先されるため、篆書体や吉相体(印相体)がおすすめです。
また、Excelやフリーソフトでも電子印鑑は作成できますが、セキュリティの高いフォントを無料で入手することは困難です。
信頼性の高い電子印鑑を導入する際は、ハンコヤドットコムなどの専門的なフォントを扱う専門店をご検討ください。












