印鑑うんちく事典
オンラインストア で商品を検索!

封緘印とは?意味や役割、押し方・どこで売ってるかを解説

封筒で請求書や契約書などが届いたときに、「緘」の印が押されているのを目にしたことはありませんか?
これは「封緘印(ふうかんいん)」と呼ばれ、機密文書を不正に開封されないようにする重要な役割があります。

この記事では、そんな封緘印の基礎知識・役割をはじめ、押し方や購入できる場所などを解説します。
よくある質問にも触れているので、封緘印について理解を深め、安心して封書を送れるようになりたい方はぜひ最後までご覧ください。

封緘印とは?意味と役割

封緘印(ふうかんいん)とは、糊付けした封筒のフタと本体の継ぎ目にまたがるように押すスタンプのことで、「密封されている」ことを証明する役割があります。
第三者による開封・文書の改ざんを防ぐ手段として有効なため、機密性が重視される重要書類やビジネスレターでよく用いられています。

また、封緘印によって書類の重要性がアピールできるため、受け取る側への敬意・マナーを示す意味も込められています。

そもそも封緘(ふうかん)とは

封緘(ふうかん)は「封筒を閉じること」を指し、糊付けやシールなどさまざまな方法があります。
封緘の「緘」には「とじなわ」という意味があり、「なわ・ひもで封をしっかり閉じる」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。

封緘の歴史は古く、古代中国やヨーロッパでは以下のような方法が用いられていました。

  • 封泥(ふうでい)

    木簡・竹簡の束を紐で縛り、その結び目を粘土で包んで責任者が押印する。古代中国などで用いられた。

  • 封蝋(ふうろう)/シーリングワックス

    蝋(ろう)で封筒を閉じる方法。ヨーロッパでは遅くとも14世紀には一般化していた。

封泥・封蝋どちらも中身の改変を防ぐために行われており、宛名の人物以外に中身を見られないよう、時代や地域を問わず多彩な工夫がされたことがわかります。
ちなみに、「封滅(ふうめつ)」は「封緘(ふうかん)」の誤用で、日本語の正式な表現には存在しません。

参考:緘 | 漢字一字 | 漢字ペディア

封字の種類・使い分け

封緘をする際は、文書の内容や送付する相手によって「〆」「封」「緘」などの封字(ふうじ)を使い分けます。
ここでは、それぞれの封字の意味・使用シーンを解説します。

〆・締(しめ)

「〆」「締」は、一般的な手紙やビジネス文書で広く使われる封字です。
単に封をしたことを簡潔に示す表現で、「〆」は「締」の略字となります。

なお、「〆」を「×」(バツ印)で表記する方がいますが、これは正しくありません。

封(ふう)

「封」は「封じる」という意味をもち、「〆」「締」に比べて少し改まった印象の封字です。
たとえば履歴書や願書を送る際に、「〆」「締」ではなく「封」を使うとより正式な印象を表現できます。

緘(かん)

「緘」は「厳重に閉じる」という意味をもつ表現で、重要書類に多く用いられる封字です。
開封厳禁のニュアンスを持つため、社内外での極秘文書から公的手続きに関する書類まで幅広く使えます。

ちなみに、手書きが多い「〆」「締」と比べて、「緘」は封緘印とよばれる専用スタンプを用いるケースが多くなっています。

寿(ことぶき)

「寿」は、結婚式などの慶事(お祝い事)で用いられる封字です。
おめでたい意を表現できるため、相手に対する気遣いやお祝いの気持ちを強調できます。

賀(が)

「賀」は、お祝い事やお祭りごとなどで用いられる封字で、おめでたい気持ちを表現できます。
「寿」と意味が似ていますが、「賀」は年賀状でよく使用されるという違いがあります。

蕾・莟(つぼみ)

「蕾」「莟」は、「つぼむ」という意味をもつ女性専用の封字で、最近はほとんど使用されていません。
「花の蕾のようにまだ(手紙を)開いていません」という意味があり、私的な手紙におしゃれな印象を持たせられます。

ひらがなで「つぼみ」と表記するのもOKですが、この場合は必ず縦書きと決まっています。

封緘印は重要書類に押すのが一般的

封緘印は、開封厳禁の意味を持つ「緘」を押すスタンプのため、特定の差出人に送る重要書類に使うのが一般的です。
たとえば、宛名本人が開封すべき「親展」と記された文書や、内容の秘匿性が高い文書を送る際に適しています

封緘印が使われる書類の例

  • ビジネス文書

    請求書、納品書、見積書、契約書

  • 公的・私的証明書

    住民票、戸籍謄本、診断書、調査書

  • 招待状

    会社や個人からの正式な招待状

なお、重要書類への封字は必須ではないため、封緘印を押さなくても問題ありません。
ただ、封緘印を押すとその封書の改ざんを防止しやすくなり、受け取り側にも良い印象を与えられるため、メリットが大きいといえるでしょう。

手書きにはない、封緘印のメリット

美しく、統一感が出る

スタンプを使うと「緘」の文字の形・大きさが揃い、筆跡によるバラつきが起きなくなります。
仕上がりに統一感が出るため、受け取る側にも好印象を与えられるでしょう。

ミス防止・時短になる

手書きで「緘」の封字を記入する場合、書き間違いやインクのにじみが起こる可能性があります。
スタンプであれば手書きならではのミスもなくなり、作業がスピーディーに進みます。

封緘印の押し方・押す位置

封緘印の押し方・押す位置は以下の通りです。

  1. 封筒のフタに糊をつけ、封をする
    封緘印がきれいに押せなくなるため、セロハンテープで封をするのは避けましょう。
  2. 封筒のフタの継ぎ目の中央に、封緘印を押す
    継ぎ目の部分は段差があるため、きれいに押せるように捺印マットを敷くのがおすすめです。
    封緘印がゴム印の場合は、紙に押しつけたまま「の」の字を書くように力を入れると、かすれを防げます。

封緘印はどこで売ってる?

封緘印は、実店舗の印鑑専門店やネット通販で購入できます。
現状100円ショップでは取り扱いがなく、ホームセンターや文房具店などでも封緘印を販売している店舗は限られているようです。

一部の印鑑専門店では、ゴム印タイプやおしゃれな封緘印も販売しているので、見た目にこだわりがある方におすすめです。
また、数日かかってもOK・外出せず手軽に購入したい方は、ハンコヤドットコムなどのネット通販がよいでしょう。

ハンコヤドットコムでは、シヤチハタ製・サンビー製の封緘印をご用意しています。
本体にインクが内蔵された浸透印タイプのため、スタンプ台不要で連続なつ印が可能です。

よくある質問

封緘印は必ず押さないとダメですか?

封緘印の押印は義務ではないため、押さなくても問題はありません。
しかし、封書が第三者に開封・改ざんされるのを防止し機密性を高めるメリットがあるため、押印するのがおすすめです。

封緘印がない場合の代用方法は?

スタンプが手元にない場合は、手書きで「緘」を記入する方法があります。
ただし、筆跡によるバラつきや記入ミスのリスクを考慮すると、専用の封緘印スタンプが最も望ましいでしょう。

また、封緘シールを使用する手段もありますが、封緘印や手書きに比べてカジュアルなデザインが多いため、重要な書類の場合は避けた方が無難です。

まとめ

封緘印は、封書が厳重に封じられていることを示し、開封防止や改ざん防止に役立つアイテムです。
特に請求書や契約書など機密性の高い書類では、信頼性を高める手段として有効となります。

最近はネット通販でも手軽に買えるので、「重要な書類を送るときは丁寧に仕上げたい」という方はぜひ検討してみましょう。