請求書に電子印鑑は使える?必要性や種類、作り方・PDFに押す方法を解説
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「請求書に電子印鑑は使える?」
「そもそも、請求書に電子印鑑を押す必要はある?」
請求書の処理をするなかで、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、請求書は電子化が認められているため、電子印鑑は問題なく使用できます。
また、請求書への押印は法律上の義務ではありませんが、商習慣として押印が推奨されています。
この記事では、請求書に使える電子印鑑の種類や法的効力、PDFへの押し方などを解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
請求書に電子印鑑は使用できる
結論から言えば、電子印鑑は請求書に押印可能です。
そもそも請求書は、e-文書法と電子帳簿保存法によって電子化が認められている書類のため、電子印鑑を押印しても法的に支障はありません。
e-文書法と電子帳簿保存法は対象文書と管轄が異なる別々の法律ですが、どちらも文書を電子で扱うことを認めるものです。
- e-文書法
会社法や法人税法などで保管義務がある書類を、紙だけでなく電子データでも保存できるようにする法律 - 電子帳簿保存法
e-文書法で電子保存が認められた文書のうち、財務省・国税庁が定める「国税関係帳簿書類」の電子化ルールを定めた法律
請求書は、e-文書法と電子帳簿保存法の両方で電子保存が認められているため、電子印鑑が使用できます。
法的には、請求書に電子印鑑を押さなくてよい
請求書への押印は、法律上の義務ではありません。
そのため、実物の印鑑・電子印鑑が押されていなくても、請求書は有効です。
ただし、「請求書には押印するもの」という商習慣が今も残っているため、独自ルールとして押印を求める企業もあります。
法的に問題がなくとも、請求書には実物・電子を問わず押印しておくのが無難です。
請求書に電子印鑑を押す理由
押印に法的義務はありませんが、実務では次のようなメリットがあるため、電子印鑑を押すことが推奨されます。
請求書の信頼性を保つため
請求書に電子印鑑を押すと、「書類が正式に作成されたものである」という信頼性が相手側に伝わります。
特に初めての取引の場合、押印があることで安心感が生まれ、手続きがスムーズに進みやすくなります。
改ざん・偽造などのトラブル防止のため
請求書に押印があると、書類の作成者が明確になり、第三者による改ざんや偽造を抑止する効果があります。
また、文書の偽造や変造は刑法(私文書偽造等)で処罰される行為であるため、押印はトラブル防止の観点でも有効です。
電子印鑑の種類・法的効力
電子印鑑には2種類があり、それぞれで法的効力が異なります。
印影(朱肉の跡)を画像化した電子印鑑
実物の印鑑をスキャンして画像にしたり、WordやExcel、フリーソフトの機能で作成した電子印鑑が該当します。
このタイプは「誰が押したか」を技術的に証明する機能がないため、法的な証拠能力は期待できません。
一方で、電子印鑑の導入コストを抑えられるため、請求書に押す電子印鑑を自作する人も多いようです。
電子印鑑の効果・利便性を検証するため無料ツールで作成するケースもあるので、ペーパーレス化・リモートワーク推進のために活用するとよいでしょう。
識別情報(電子署名)が付与された電子印鑑
印影の画像データに、電子書類の作成者を証明する識別情報が組み込まれた電子印鑑です。
このタイプの電子印鑑は有料の電子契約サービスを通じて利用でき、「いつ、誰が押印したか」を客観的に証明できます。
印影を画像化しただけの電子印鑑と異なり、法的効力が認められているので、重要な契約書類に用いても安心です。
金額が大きい・法的リスクがあるなど、重要度が高い請求書の場合は、トラブル回避のために識別情報付きの電子印鑑を用いた方がよいでしょう。
請求書の電子印鑑を無料で作成する方法
「請求書に押す電子印鑑を、低コストで手に入れたい」
「まずは無料で作って、電子印鑑の導入効果を見たい」
このようなケースであれば、電子印鑑を無料で作成するのがよいでしょう。
電子印鑑を無料で作成する方法は、以下の3つです。
WordやExcelで作成する
WordやExcelの図形機能を使えば、円形をベースに会社名やロゴを挿入して簡易的な電子印鑑を作れます。
また、手元にある印鑑を紙に押印し、Excelに取り込んで電子印鑑にする方法もあります。
複雑なソフトも不要なので、「電子印鑑を試しに使ってみたい」という方におすすめです。
ただし、Word・Excelで選べるフォントには、実物の印鑑に使われる篆書体(てんしょたい)や古印体(こいんたい)などの書体が存在しません。
デザインの調整機能にも限りがあるため、見た目にこだわりたい方には不向きです。
また、実物の印影をスキャンして電子印鑑を作成した場合は、印鑑自体を偽造されるリスクもあります。
フリーソフトで作成する
最近では、電子印鑑を簡単に作成できるフリーソフト・オンラインツールも多く存在します。
丸印・角印といった形や、書体も好きなものを選べるので直感的に操作できます。
ただし、ソフトによってはWindowsの対応OSが限定される・カジュアルな印象になるため社外書類には向きません。
また、WordやExcelと同じく誰もが同じデザインで作成できるため、偽造・悪用のリスクが高くなります。
Adobe Acrobat Reader(PDF上)で作成する
無料のAdobe Acrobat Readerを使えば、電子印鑑の作成・押印までをPDF上で完結できます。
一つのツールで押印までを手間なく終えたい方におすすめです。
ただし、Adobe Acrobat Readerの機能で作れるのは認印・日付印のみで、角印は非対応です。
認印が一般的な個人事業主・フリーランスには適していますが、角印を用いる法人には不向きなツールといえるでしょう。
無料の電子印鑑は、実物の印鑑と比べて見劣りする
WordやExcel、フリーソフトで作成した電子印鑑は書体やデザインの幅に限界があるため、実物の印鑑と比べてどうしても物足りない印象があります。
また、誰もが同じようなデザインで作成できるため、偽造・悪用のリスクも高くなります。
請求書の信頼性を保つことを考えると、無料の電子印鑑は避けた方が安心です。
「実物の印鑑のように見栄えのする電子印鑑で、請求書の信頼性を高めたい」
そんな方には、ハンコヤドットコムの電子印鑑がおすすめです。
専門のスタッフがオリジナルの印影をデザインするため、無料のものに比べて偽造に強く、高品質な電子印鑑が手に入ります。
電子印鑑をPDFの請求書に押す方法・手順
ここからは、無料のAdobe Acrobat ReaderでPDFの請求書に電子印鑑を直接押印する方法を解説します。
WordやExcel、フリーソフトで作成した電子印鑑をはじめ、購入した電子印鑑もこの方法で押印可能ですので、ぜひ参考にしてください。
電子印鑑を請求書に押す位置
請求書に角印の電子印鑑を押すときは、社名・住所などの発行元の情報に重なるよう、右寄りの位置にするのが一般的です。
この押し方で社名と電子印鑑がセットになるため、請求書の偽造・改ざんを防止しやすくなります。
なお、請求書のフォーマットにあらかじめ「印」などの押印箇所が設けられている場合は、その指定に従いましょう。
よくある質問
- 請求書に電子印鑑を押さないとどうなる?
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請求書に電子印鑑を押さなくても、法的に問題はありません。
ただし、押印のない請求書を受理できない・押印がないことに不信感を持つ会社も存在するため、トラブル回避のためにも請求書には押印するのがベストです。
- 個人事業主・フリーランスでも電子印鑑は使える?
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個人事業主やフリーランスの方も、問題なく電子印鑑を使用できます。
むしろ請求書への押印を必須とするクライアント企業もあるので、契約をスムーズに結ぶためにも電子印鑑を作成しておくとよいでしょう。個人事業主やフリーランスの場合、法人のように角印の電子印鑑を使用する必要はないので、通常の認印で構いません。
とはいえ、屋号で電子印鑑を請求書に押す方もいるので、お好みで問題ありません。クライアント企業に好印象を与えたいなら、プロの印影デザイナーが手がけるハンコヤドットコムの電子印鑑がおすすめです。
実物の印鑑のような見栄えのため、請求書がより信頼できる印象になります。
まとめ
請求書への押印は法律で義務付けられていませんが、商習慣を考えると、実物・電子を問わず押印するのが望ましいでしょう。
電子印鑑には、無料で作成できる画像タイプと、識別情報が付与されたタイプの2種類があります。
Excelやフリーソフトなどの無料ツールは手軽に扱えますが、作成した電子印鑑は見た目が簡素になりがちです。
見栄えのよい電子印鑑で請求書の信頼性を高めたい場合は、ハンコヤドットコムの電子印鑑をご検討ください。
専門のスタッフがオリジナルの印影をデザインするため、実物の印鑑のような印影の電子印鑑が手に入ります。
















