印鑑うんちく事典
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委任状に印鑑は必要?種類・押し方・手続き別の使い分けを解説

「委任状には印鑑が必要?」
「認印でもいい?実印じゃないとダメ?」

代理人に手続きを頼む場面で、こうした疑問を抱いた方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、委任状への押印が必要かどうかは、手続きの種類と氏名の書き方によって変わります。

この記事では、委任状に印鑑が必要な手続きから使用する印鑑の種類、押し方のポイントまで、わかりやすく解説します。
代理人による手続きをスムーズに進めるためにも、ぜひ最後までご覧ください。

委任状に印鑑が必要かは、手続きの種類・氏名の記入方法で変わる

委任状への押印が必要かどうかは一律に決まっておらず、「どんな手続きか」「氏名を手書きしたか」によって変わります。
ただし、提出先ごとに書式の指定をされる場合もあるため、あらかじめ確認しておくのがベストです。

委任状への押印不要の流れはあるが、手続きによる

委任状への押印は、2020年(令和2年)に政府が打ち出した押印の見直しの流れもあり、各自治体で廃止が進んでいます。
住民票の代理請求などでは、押印に代えて本人確認書類の提示で対応できるようになった自治体も多くなりました。

ただし、すべての委任状で押印が不要になったわけではありません。
不動産登記や自動車の名義変更など、財産の移転を伴う手続きでは、現在も実印印鑑証明(印鑑証明書)がセットで求められます。
委任状への押印は、自治体・手続きごとに要件が異なりますので、必ず提出先への事前確認を行いましょう。

署名(手書きの氏名)なら印鑑は不要

基本的な考え方として、本人が氏名を委任状に手書きした場合(署名)は、印鑑は不要です。

「署名」とは、本人が自分の手で氏名を書くこと(自署・サイン)を指します。
筆跡は個人を特定できる証拠になるため、自署のある委任状は、本人の意思を示すものとして実務上認められるのが一般的です。

そのため、自筆の氏名がある委任状であれば、基本的に印鑑を押す必要はありません。

記名(印刷・ゴム印で押した氏名)なら印鑑が必要

委任状への氏名記入を、パソコンでの印刷やゴム印・スタンプで行った場合(記名)は、印鑑が必要です。

「記名」とはパソコンで氏名を入力して印刷したり、ゴム印を使ったりと、自筆以外の方法で氏名を記すことを指します。
記名には「本人が書いた」という証明力がないため、本人の意思を示す印鑑が別途必要になります。

【手続き別】委任状に押す印鑑の種類一覧

主な委任状において、どの印鑑が必要かを手続き別にまとめました。
「実印が必要なのに、認印を用意してしまった」という事態を防ぐためにも、ぜひご活用ください。

委任状を使用する手続き 必要な印鑑の目安
車の名義変更実印+印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
住民票・戸籍の請求自治体による(押印不要の場合が多い)
不動産の売買実印+印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
印鑑登録の申請登録予定の印鑑(実印)
銀行・金融機関における手続き銀行印または実印(※金融機関で異なる)
株主総会の議決権行使認印または実印(※定款・書式による)

※一般的な例であり、厳密なものではありません。

普通自動車の名義変更における代理手続き

普通自動車の名義変更を代理人が行う場合、手続きを委任する所有者は、実印を押印した委任状を提出します。
委任者が旧所有者・新所有者、あるいは双方かによって委任状の枚数は異なりますが、いずれの場合も発行から3か月以内の印鑑証明書の添付が必要です。

なお、車庫証明(自動車保管場所証明申請)の委任状については、2021年の押印見直しにより押印は不要となりました。

※軽自動車は要件が異なります。

住民票・戸籍などの代理請求

多くの自治体で、住民票や戸籍謄本の請求における委任状への押印は不要となり、本人確認書類の提示を代替方法としています。
なお、委任状の書式や添付書類が指定されているケースもありますので、手続き前に自治体のホームページや窓口で確認しておくと安心です。

印鑑登録の代理申請

一般的に、代理人による印鑑登録では、委任状に本人の氏名(自署)と実印(登録予定の印鑑)の押印が必要です。
認印や別の印鑑では受け付けてもらえない場合がほとんどのため、注意しましょう。

なお、自治体によっては委任状への押印を不要とするところもあり、市区町村によって要件は異なります。
手続きをスムーズに進めるためにも、登録予定の市区町村のホームページや窓口で、必要なもの・手順を事前に確認しておきましょう。

ちなみに、印鑑証明書の代理取得の場合は、委任状は原則不要です。

不動産の代理売却

不動産の売却における委任状には、実印と印鑑証明(印鑑証明書)が必要です。
財産の移転という取引の性質上、代理人への委任が本人の真意であることを証明する必要があるためです。
委任状に認印を押すと、法務局で受理されないリスクもあるため、注意しましょう。

なお、印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが求められるケースがほとんどです。

銀行・金融機関における代理手続き

口座の解約や名義変更など、銀行手続きの委任状では、登録している銀行印(届出印)の押印が必要です。
一方で、実印と印鑑証明書が必要となるケースもあるなど、金融機関ごとに指定される印鑑が異なります。
窓口に出向く前に、対象の金融機関のホームページなどで要件確認しておくことをおすすめします。

株主総会の委任状(議決権行使)

上場企業の株主総会において、議決権行使のために委任状を提出する際、会社によっては押印が求められる場合があります。
実印と印鑑証明書のセットが必要な場合もあれば、署名のみでOKとする会社もあります。
また、事前に会社に届け出ている印鑑がある場合は、その印鑑でなければ委任状が無効となるリスクがあり、注意が必要です。

招集通知に同封された委任状の書式と注意事項を必ずチェックし、必要な印鑑を押すようにしましょう。

委任状に印鑑を押す位置・正しい押し方

委任状に印鑑を押す位置は、「印」の欄、または委任者の氏名の右隣です。
委任状に「印」の欄があれば、そこに押印すれば問題ありません。
「印」の欄が設けられていない場合は、委任者の氏名の右隣に押しましょう。

書式によっては委任者欄と確認欄など押印箇所が複数設けられている場合もありますので、それぞれの欄の指示に従ってください。

捨印を求められた場合の注意点

書類や提出先によっては、欄外に「捨印(すていん)」の押印が必要となる場合があります。
捨印とは、記載内容に軽微な誤りがあった際に代理人がその場で訂正できるよう、あらかじめ押しておく予備の印鑑のことです。

「勝手に内容を訂正されたらどうしよう」と不安になるかもしれませんが、公的書類の捨印は、誤字などの軽微な訂正に限られるのが一般的です。
また、捨印を押さないと書類が受理されなかったり、誤りがあった場合に手続きが中断したりと、スムーズな承認を妨げる要因となります。
公的機関や金融機関など、信頼できる提出先であれば過度に心配する必要はありません。

ただし、自作の委任状に捨印を求められた場合は、どのような用途で使われるかを確認してから対応しましょう。
また、不動産取引など高額・重要な手続きでは、捨印欄が設けられていても押印を断ることも選択肢のひとつです。

委任状にシャチハタ(浸透印)は使えない

シャチハタをはじめとするインク内蔵式のスタンプ(浸透印)は、委任状への使用を断られることがほとんどです。

理由は以下の2つです。

  • ゴム製の印面が経年で変形しやすく、印影の同一性を長期的に証明しにくい
  • 同一の印影を持つ製品が大量に流通しており、本人性を証明できない

「認印でいいと言われたから、シャチハタを押した」という判断は、ほぼすべての公的手続きで認められません。
認印が可と言われた場合でも、朱肉を使う一般的な印鑑を用意しておくようにしましょう。

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印影が欠けた・かすれた時の訂正手順

委任状に押した印影が欠けたり、かすれたりした場合は、次の手順で訂正しましょう。

  1. 訂正:二重線を引く例
    1. 欠けた・かすれた印影の上に二重線を引く
  2. 訂正:正しく押し直す例
    1. 二重線の隣に、正しく押し直す

なお、文書の改ざんとみなされるリスクがあるため、修正液や修正テープで消すのは厳禁です。
また、かすれた印影の上に重ねて押すと、委任状が無効になる可能性がありますので、必ず二重線で訂正するようにしてください。

「少しかすれているが文字は読める」程度であれば問題ないケースもありますが、心配な場合は提出先に確認しましょう。

まとめ

委任状への押印が必要かどうか、必要であればどの印鑑かは、手続きの種類によって変わります。
判断に迷ったときは、「財産や権利が動く手続きには実印、それ以外は署名か認印」と覚えておくと大きく外れることはありません。
とはいえ、提出先への確認が最も確実ですので、差し戻しの手間を防ぐためにも、必ず要件をチェックしておきましょう。

実印をお持ちでない方や、委任状に備えて印鑑を新たに準備したい方は、印鑑の通販サイト「ハンコヤドットコム」をご検討ください。

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